大人ってなんだろうね?
18歳を過ぎたらみんな大人かな?年を重ねたらみんな大人になっていくのかな?
大人の定義って、たぶん人それぞれ。答える人の数だけ答えがあると思う。それって不思議だけどね。それくらい「大人」ってあいまいなものなんだと思う。
ここでは、僕なりの「大人」の定義を伝えていくね。答えは無数にあるけれど、もしも気に入ったら君の答えコレクションの一つに入れておいてよ。
大人になるということは「助けを求めることができる」っていうことだと僕は思ってる。
ん?逆じゃない?
って思った?
大人になるって、誰の助けも借りずになんでも自分でできるようになるってイメージだったかな?
実際に大人は自分のことを自分で責任をとることを求められる。だからこそ、自分以外の人の助けを上手に使う必要があるんだ。
そもそも、助けを求めることって意外と難しいんだ。助けを求めるためには、自分の限界を見極める力が必要になる。この力こそ大人になる力と言ってもいいくらいだと思ってる。
僕は、人間って3才くらいにはもうなんでもできるようになるって思っているんだ。自分で食べたり飲んだりできるし、朝まで眠ることができる。歩くことも走ることも、ジャンプもできる!おしゃべりもできるし、中には文字が読める子だっているよね。
だけど、3才の子をひとりぼっちにすると危ないよね。誰かがいつも横にいて、いろんな場面で手助けをするよ。ごはんは自分で食べられるはずなのに、食べさせてもらっていることがあるし、歩くときは誰かが手をつないであげてる。
どうしてだろう?
それは、自分の能力を見極めるチカラがほとんどないからだ。
3才の子の多くは、どんなに大きくて固いものでも飲み込めると思っているし、どんなにたくさん食べてもお腹が痛くなることなんて考えてない。クルマより速く走れると思っている子もいるし、隣町まで歩いていけると思っている子もいる。
自分がどこまでできて、どこ以上はできないかを全然分かっていないんだ。
だから、いつも誰かが近くにいて「それ以上はあぶないよ〜。君にはまだできないよ〜。」と言っているんだね。
それがだんだんと大きくなっていくと、自分の限界が少しずつ分かっていくよね。「ちょっとこの距離は自転車じゃキツイな。」「お母さんクルマで送ってよ〜。」、「棚の一番上はさすがに届かないな。」「お父さん取って〜。」、「この問題、どんなに考えても分からないな。」「先生教えてください!」・・・こうやって上手に他の人の助けを求められるようになるんだ。君もこんな感じじゃないかな?
ただ、自分の限界を見極めるって本当に難しい。だって君の限界って毎日変わってるから。
よく「昨日の自分を超えろ!」とか「限界に挑め!」っていうよね。
これって、「もっと出来るようになりなさい!」って意味に聞こえるけど、「ちゃんと今日の自分の限界を知っておきましょう。」という意味なんだって僕は思ってる。きっと、今日の君は昨日よりできるようになったことがあるはずだし、そもそも限界に挑まないと限界の確認はできないよね。
人間は死ぬその瞬間まで、限界が変わっていくものなんだと思うよ。そして、君たちの年代は特に限界の変化が激しいよね。
両親にいろいろ心配されて面倒だなって思うことある?久しぶりに会ったおじいちゃんおばあちゃんと「お!もう1人で電車乗れるのか!?」「毎日、電車で高校通ってるんだってば〜。」みたいな会話したことないかい?
君たちの限界の広がりって、びっくりするほど速いんだ。だから、周りの大人が君のことにいろいろ口出ししてきても、ちょっとおおめに見てあげてよ。そして、「もうここまでできるんだよ。」ってちゃんと説明してあげて。
そして一番覚えておいてほしいのが、心の限界のこと。これ以上は心が壊れちゃうという限界が絶対みんなにあるんだ。この限界を見極めるのは本当に難しい。君の心の限界は君以外の誰にも分からない。そしてたまに君も見失うだろう。だから、たまには自分の心の声に耳を澄ませて。心にあとどれくらい余裕があるのか、しっかり見極めておいてね。
今まではきっと、周りの大人が君の限界を察知して助けてくれることが多かったと思うんだ。もしかしたら、君の気づかないうちに助けられていたこともあるかもね。
でも大人になるということは、自分から助けを求めることができることなんだ。「自分はこれ以上はできません。助けてください。」と言えることなんだ。誰かが気づいてくれるのを待っていてはいけない。自分で助けを呼ぶことが大事なんだよ。
それってちょっと恥ずかしいかもしれない。悔しいかもしれない。だけど、その勇気を持つことこそ大人になることさ。
ミーチャンより

もし君がいま、助けが必要と感じているなら胸を張って声をあげて!